臨床心理士さんにインタビュー!~カウンセリングルームわんど・渡邊さんに聞いた~

皆さんこんにちは✨ ベストジョイ菊水のあっきーです。お久しぶりの投稿になってしまいましたね…。今回は、祝・BESTIES#3発行記念!☺ 特集記事に登場した、カウンセリングルームわんどの臨床心理士である渡邊さんのインタビューをロングバージョンでお届けしたいと思います。BESTIESでは残念ながらカットしたお話も掲載しておりますので、ぜひご覧ください! インタビュアーはこの方! 

お久しぶりです、BESTIES担当デザイナーのマノマです♪

マノマちゃん、よろしくおねがいします!

カウンセリングのお仕事について教えてください!

マノマ:「カウンセリング」って、よく聞く言葉ではあるんですが、恥ずかしながら具体的には全く知らなくて。

渡邊さん:受けたことが無いと中々分からないよね。今持ってるイメージって、どんな感じですか?

マノマ:えーっと。相談を聞いて、気が楽になる言葉をかけるようなイメージがありますが…。

渡邊さん:そうそう。もう少し具体的に言うと、「その人の望み」を聞くことがメインになります。「こうなりたい!」とか、「こうじゃないといいな」とか。それを、どうしたら達成出来るかというのを、一緒に考えていくのが、カウンセリングです。 

マノマ:解決してもらうのではなく、一緒に考えるんですね。

渡邊さん:そうです。もちろん、生まれ持った性質を変えていくと言うのは無理ですけどね。計算が早くなりたいとか、音に敏感な体質を治したいとか。だから本人の希望を、必ずしも全部解決できるかって言うと、そうじゃないっていう現状もあります。

マノマ:確かに、それはそうですよね。

渡邊さん:じゃあ、解決できない問題にどうアプローチするのか? そこに、臨床心理士としての専門性が必要となるわけです。専門用語で「アセスメント」というんですけど、まずは本人の常態像をヒアリングを通して把握します。そして、「解決できること」「解決できないこと」を一緒に整理していきます。また、心理検査というテストの様なものを用いて、その方もつ性格や長所・短所、「考え方のクセ」を明らかにし、カウンセリングに役立てたりというのも、仕事の一部です。

マノマ:ということは、解決できないことに気づいてもらう作業でもあるってことですね。でもそれって、本人は解決したいと考えていることを100%叶えてあげられないから、なかなか難しい立場じゃないですか?

渡邊さん:そうなんですよ。だから、どちらかというと「折り合いつける」みたいな所もあるかもしれないです。あとは、弱い所を強くするのではなくて、別のものでガードする方法を考えてみたり。

マノマ:「折り合いをつける」かあ。でも確かに、「自分ってこうなんだ」って客観視することができるだけでも違うかも。カウンセラーさんって、自分を見せてくれる「鏡」みたいな存在でもあるのですね。 

渡邊さん:なるほど、鏡か。そうかもしれませんね。

渡邊さんの今までの経歴を教えてください!

マノマ:渡邊さんは、元々臨床心理士に興味があったんですか?

渡邊さん:そうですね。大学で心理学を専攻して、大学院を出て資格を取りました。でも、大学を出た後に、実は一度就職しています。

マノマ:そうなんですね。それは心理系の?

渡邊さん:いえ、ハウスメーカーの営業です。

マノマ:全然違う所にいらしたんですね!

渡邊さん:そうなんですよ。詳細は省きますが、当時の大学院の制度や資格の条件等が北海道ではまだ発達していなくて、一度就職をはさんで院に戻るのが最善策だったんですよね。

マノマ:じゃあ、臨床心理士を目指す夢は、変わらずに持ち続けていたのですね。

渡邊さん:はい。

マノマ:ちなみに、営業の経験が今の職場に活かされることはありますか?

渡邊さん:ありますね。まず、心理職の人間の中で、産業についての知識がある人ってほとんどいないんです。

マノマ:と、いいますと?

渡邊さん:心理を学んだ人の進路って、病院や行政、あとは大学教員などが主なんですよね。なので本当に産業の部分に関わったことのある人はごくわずかなんですよ。

マノマ:いわゆる、サラリーマンみたいな経験がない人が多い。

渡邊さん:そうです。でも、カウンセリングに来られる方々って、「仕事でうまくいかない」とか、働く場面での問題を抱えていることが多いんです。

マノマ:仕事が辛くて、うつを発症しまう方も多いですしね。

渡邊さん:はい。なので、「仕事場でどんな失敗をするのか」とか、「企業がどんなフォローをしたらいいか」とか、また場合によっては「その方が障害者だったら、職場の人間はどういう事が出来るか」など、具体的に現場をイメージできるカウンセラーはごくわずかなんですよ。その点、私は営業の経験があり、職場での立ち回り等も学んできています。だから、そうした面でサポートできるのは「わんど」の珍しい特色でもあるのかなと思います。

マノマ:すごく説得力がありますね。色々な仕事を経験したからこそ、アドバイスだったり、ケアできる部分が大きいですね!

渡邊さん:色んな経験が、皆さんの役に立てば良いなと思います。

今までのお仕事で、言われて嬉しかった言葉は?

マノマ:何かこう、「やってて良かった!」って思えるような一言は今までにありましたか?

渡邊さん:意外かもしれないけど、ほとんどないんですよ。

マノマ:え!?どうしてですか?

渡邊さん:この仕事って、良くなったら勝手に離れていく仕事なんです。カウンセリングを受けていた方が、「もう必要ないな」と思ったら、次回から来なかったりね。だから、面と向かって感謝される機会ってほとんどないんですよ。

マノマ:そうなんですね。ちょっと寂しい。

渡邊さん:もちろん、たまにはありますよ。「実は結婚する事になりました!」って連絡をいただいたときにはとても嬉しかったです。あとは、自然と離れていった方が、偶然別のところで復帰されていることを知って、しみじみ良かったなあって思ったり。

マノマ:なるほど。なんだか不思議ですけど、「便りが無いのが良い便り」みたいなことですよね。

渡邊さん:そうですね。離れていった方の健康を祈りながら、次のカウンセリングに向き合うのが、カウンセラーなのかもね。

カウンセリングルーム「わんど」を開いたきっかけは?

マノマ:カウンセリングルーム「わんど」ができたきっかけを教えてください!

渡邊さん:札幌市内に、じっくりとカウンセリングを行える場所を作りたかったのが、一番のきっかけです。

マノマ:なるほど。精神科の病院って、よく電車の広告なんかでも見かけますし、充実しているのかなって勝手に思っていたのですが。

渡邊さん:おっしゃる通り、札幌市内に精神科の病院はたくさんあります。しかし、精神科の診察の基本は「5分」だって、知ってますか?

マノマ:たったの5分ですか。知りませんでした。わたしはてっきり、心の病気のことだから、15分ぐらいじっくりとお話を聞いてもらえる時間があって、それで混雑してしまうのかと。

渡邊さん:実は逆で、多いところだと80人~100人の患者さんを1日にみているんです。そうなると、お医者さんも5分でさばかざるを得ない。初診を予約するだけでも1か月待ちなんてよくあることですよ。人気のところだと、3~4か月待ちなんてことも。

マノマ:そんなに混雑しているんですね。驚きです…。

渡邊さん:はい。そうなると、病院でできることは、薬を処方することがメインになります。5分の診療の中で、お話を聞いて、処方を出してあげる。

マノマ:それだと、お薬は手元にあるけど、心の問題は解決していない状態の方が、溢れてしまいますね。

渡邊さん:その通りですね。それから、5分診療になってしまう原因は他にもあります。マノマさんは、「診療報酬」ってご存じ?

マノマ:いえ、知りません。

渡邊さん:病院に行くと、領収書だとかに「1点」「2点」って書いているの、見たことはありますか?あれが診療報酬です。注射を打つと1点、みたいにね。診療の点数によって、病院に入るお金が変わるんです。

マノマ:なるほど、知りませんでした。もしかして、カウンセリングの点数が低いってことですか?

渡邊さん:そのとおり。心理療法って、お薬と違って目に見える効果が分かりにくいというのもあり、診療報酬になりづらいんですよね。儲けが出ないので、病院はあんまりやってないんです。

マノマ:儲けは少ないし、人は溢れてしまっているし、一人にかけている時間は短い。現代社会の、大きな課題かもしれませんね。今のお話を聞いて、「わんど」の存在ってとても重要なんだなと思いました。

渡邊さん:そう言ってくれると嬉しいです。

インタビューは以上です♪ 知らない世界のお話が聞けて、楽しかったー!

マノマちゃん、ありがとうございました~!

渡邊さんのいるカウンセリングルームわんどの情報は、以下となります♪ お気軽にお問合せくださいね~! 

カウンセリングルーム わんど

URLhttps://wand-ks.com/
住所〒065-0011 北海道札幌市東区北11条東1丁目1−40
問い合わせhttps://wand-ks.com/form.html 

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